子どもが生まれて何が変わったかと聞かれたら、一言で言えば「考え方」である。
もちろん生活は大きく変わった。自由な時間は減ったし、自分のペースで過ごせる日はほとんどなくなった。しかし、それ以上に変わったのは物事の見方や考え方だったように思う。
第一子が生まれるとき、私は2か月間の育児休業を取得した。第二子のときは3か月間取得した。
「短い」と思われる方もいるかもしれない。しかし、当時の私にとっては精一杯の選択だった。私が勤める大学は決して育児休業を取りやすい環境とは言えず、周囲に前例も多くなかった。
これまでニュースなどで「男性の育児休業取得率が低い」「取得しづらい職場環境」という話を耳にしてきたが、正直なところ、どこか他人事だった。
しかし、いざ自分がその立場になると、その意味がよく分かった。仕事のことが頭をよぎる。周囲への負担も気になる。自分が抜けた後の業務も心配になる。
それでも、人生で何度も経験できることではない。私は私なりに悩み、考え、できる限りの期間を取得した。
振り返ると、それは単に育児休業を取ったというだけではなく、「これからの働き方」について考えるきっかけでもあった。
もしかすると、私の後に続く誰かが少しだけ育児休業を取得しやすくなるかもしれない。そう考えると、見えないバトンリレーの一端を担えたような気もしている。
そして、子どもが生まれてから私の日常は大きくルーチン化した。独身時代や夫婦二人の頃は、自分の都合で予定を組むことができた。
しかし今は違う。朝起きる。子どもの支度をする。買い物へ行く。食事を作る。食べる。洗い物をする。片付けをする。お風呂に入れる。寝かしつける。
毎日が時間との戦いである。
私はもともと料理が好きで、できるだけ自炊をする生活を続けてきた。しかし、その習慣が今では家族の生活を支える重要な役割になっている。
買い物、調理、洗い物。
この繰り返しで休日が終わることも珍しくない。正直に言えば、「今日は何もした気がしない」と思う日もある。
しかし、子どもたちがおいしそうにご飯を食べている姿を見ると、それだけで報われる気持ちになる。
そして最近になって強く思うことがある。それは、自分の両親への感謝である。子どもの頃は当たり前だと思っていた。
毎日ご飯が出てくること。洗濯された服があること。家が片付いていること。学校へ行けること。
しかし、それらは決して当たり前ではなかった。誰かが時間を使い、手間をかけ、家族のために動いてくれていた結果だったのである。
親になった今、そのことが身に染みて分かる。あの頃の両親も、仕事と家庭の間で悩みながら、毎日を必死に過ごしていたのかもしれない。
親になって初めて分かることがある。
そして子どもたちは、いつか親になったときに同じことを感じるのかもしれない。子どもが生まれて変わったのは生活だけではない。人への感謝や働き方、家族との向き合い方。そうした人生の見方そのものが変わったように思う。大変なことは確かに増えた。
それでも私は、子どもたちが生まれてきてくれたことで、以前より少しだけ成長できたのではないかと感じている。


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