四分位数とは?データを4つに分けて特徴を読み取る方法をわかりやすく解説

統計・データ分析

前回は、データの代表値である「平均値」「中央値」「最頻値」について学びました。代表値を使うことで、データ全体を一つの数字で表すことができます。

しかし、代表値だけではデータの特徴を十分に説明できないことがあります。

例えば、平均点が70点だった二つのクラスがあったとしても、一方は全員が65~75点に集中しているクラス、もう一方は40点から100点まで大きくばらついているクラスかもしれません。

このような違いを理解するためには、データがどのように分布しているのかを調べる必要があります。

そのときに役立つのが四分位数(しぶんいすう)です。

四分位数は、データを4つのグループに分けて、その分布の様子を把握するための指標です。箱ひげ図や四分位範囲など、これから学ぶ内容の基礎にもなります。

今回は、四分位数の意味や求め方、どのような場面で利用されるのかについて見ていきましょう。

四分位数とは

四分位数とは、データを小さい順に並べ、それを4等分したときの区切りとなる値のことです。

四分位数には次の3つがあります。

  • 第1四分位数(Q1):データの下位25%と上位75%を分ける値
  • 第2四分位数(Q2):データの中央に位置する値(中央値)
  • 第3四分位数(Q3):データの下位75%と上位25%を分ける値

つまり、第2四分位数は前回学んだ中央値そのものです。

四分位数は、データの「中心」だけでなく、「どこまで広がっているのか」を知るためにも重要な役割を果たします。

四分位数の求め方

それでは、実際に四分位数を求めてみましょう。

次の9人分のテストの点数を考えます。

55、60、65、70、75、80、85、90、95

すでに小さい順に並んでいます。

まず、中央値(第2四分位数)を求めます。

真ん中の5番目にある75点が中央値です。

次に、中央値より小さいグループを見ます。

55、60、65、70

この4つの中央は60点と65点です。

その平均である62.5点が**第1四分位数(Q1)**になります。

続いて、中央値より大きいグループを見ます。

80、85、90、95

中央は85点と90点です。

その平均である87.5点が**第3四分位数(Q3)**になります。

このように、

  • Q1=62.5
  • Q2=75
  • Q3=87.5

となります。

なお、統計ソフトや教科書によって四分位数の計算方法がわずかに異なる場合があります。しかし、基本的な考え方は「データを4つに分ける」という点で共通しています。

四分位数から分かること

四分位数を使うと、データがどこに集中しているのかが分かります。

例えば、Q1からQ3までの範囲には、全体の約50%のデータが含まれています。

この範囲が狭ければ、多くのデータが似たような値に集まっています。

反対に、この範囲が広ければ、データにはばらつきがあることが分かります。

つまり、四分位数は「データの広がり」を理解するための重要な手掛かりになります。

四分位数はどんな場面で使われる?

四分位数は、さまざまな分野で利用されています。

例えば、学校ではテストの成績分布を分析する際に利用されます。中央値だけでは平均的な成績しか分かりませんが、四分位数を見れば、上位層と下位層の分布も把握できます。

企業では、社員の年収や売上データを分析するときにも利用されています。平均年収だけでは分からない給与のばらつきや、部署ごとの特徴を把握することができます。

医療分野では、入院日数や待機時間など、ばらつきの大きいデータを整理する際によく用いられます。

また、スポーツでは選手の記録や試合結果を分析する際にも四分位数が活用されています。

このように、四分位数はデータの特徴をより詳しく理解するために、多くの場面で利用されています。

四分位数と箱ひげ図

四分位数を学ぶ理由の一つは、箱ひげ図を理解するためです。

箱ひげ図は、第1四分位数、中央値、第3四分位数を使ってデータの分布を一目で表現するグラフです。

平均値だけでは見えないデータの偏りや広がりを視覚的に確認できるため、研究論文や統計資料でも頻繁に利用されています。

次回は、この箱ひげ図について詳しく学んでいきます。


例題1(基礎)

問題

次のデータの中央値(Q2)を求め、第1四分位数(Q1)と第3四分位数(Q3)を求めましょう。

10、15、20、25、30、35、40、45、50

解答

  • Q1=17.5
  • Q2=30
  • Q3=42.5

解説

まず中央値は30です。

中央値より小さいデータは、

10、15、20、25

中央の15と20の平均は17.5です。

中央値より大きいデータは、

35、40、45、50

中央の40と45の平均は42.5になります。


例題2(応用)

問題

AクラスとBクラスのテスト結果はどちらも中央値が70点でした。

しかし、

  • Aクラス:Q1=68点、Q3=72点
  • Bクラス:Q1=55点、Q3=85点

この結果から、どのような違いが考えられるでしょうか。

解答

Aクラスは成績が70点付近に集中しています。

Bクラスは成績のばらつきが大きいことが分かります。

解説

どちらも中央値は同じですが、第1四分位数と第3四分位数の差を見ると、Aクラスはデータが狭い範囲に集まり、Bクラスは広い範囲に分布しています。

このように、中央値だけでは分からないデータの特徴を四分位数から読み取ることができます。


まとめ

四分位数とは、データを小さい順に並べて4つに分けたときの区切りとなる値です。第1四分位数、第2四分位数(中央値)、第3四分位数を利用することで、データの中心だけでなく、分布や広がりまで把握できるようになります。

四分位数は、教育、医療、経済、スポーツなど幅広い分野で利用されており、統計学では非常に重要な指標です。また、箱ひげ図や四分位範囲を理解するための基礎にもなります。

代表値だけでは見えなかったデータの特徴を理解するために、四分位数は欠かせない考え方です。

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